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石川県 小松市

小松市 ママチャリで菩提峠(戸谷隧道)を越える!!





菩提峠「戸谷隧道」
この林道はなんと『県道43号線(丸山加賀線)』
高さ1.7m 幅0.8m!

地元の那谷町の町史『奈多谷風土記』(平成元年発行)によれば、
大杉往来の「大杉トンネル」、大正2年 長さ209m 。
昔は松明やロウソクを持って歩いたそうです。
暗闇を真っ直ぐに歩けずに、いつも側壁に当たりながら歩いた人もいたようです。


最終更新日:2014/11/08


小松市 『粟津駅前レンタサイクル』を利用しました。

小松市の粟津駅はコマツ粟津工場の玄関先にあり、特急は停まり ませんが、木場潟公園南園地へのアクセスが近い。この粟津駅前 にもレンタルサイクルがありました。








ママチャリで菩提峠(戸谷隧道)を越える!!


 小松市の菩提峠は、那谷寺と大杉町を結ぶ、古代から歩かれてきた主要ルートでした。
 小松市に合併する前の大杉谷村と那谷村を結ぶ幹線道路として、山奥の住民が菩提峠を越えて、那谷寺の門前まで炭 や薪などの山で作られた物資を運んだり、加賀市の大聖寺や山代、動橋まで買い物や出稼ぎに行くときに往来した峠であ り、大正末期にこの峠に「戸谷隧道」が作られたのも、山間部と平野部を結ぶインフラとしての重要性があったためです。
 1970年代に小松市赤瀬ダム建設に伴って、この峠道が県道に昇格したのも地元である下大杉町民の強い意向によるも のです。

 現在、小松市民で「菩提峠」を知っている人は皆無と思いますし、郷土史愛好家とか道路行政関係者ぐらしいか知らない と思われます。地図に菩提峠の表記はありませんが、大正時代の地形図を見ると、ちゃんと「菩提峠 334m」の表記があり ます。完全に歴史に埋もれてしまった小松市の「菩提峠」ですが、1000年以上人が歩いてきた古道であることをここに記し ておきます。


 ずっと前から「いつかママチャリで、小松市内の峠を越えてみたい」という思いがありました。2014年の秋、思い立ったが 吉日の如く、爽やかな秋晴れの青空に日に「小松市レンタサイクル」のママチャリで、菩提峠を越えましたので、ここにアッ プします。この日、菩提峠、牛ヶ首峠、五百峠と三つの峠をママチャリで走破しました。

 インターネット上には多段変速ギヤ付きの高額なロードバイクで五百峠を越えるようなブログ日記や記録はありますが、 変速ギヤの無い、小松市のサビだらけのレンタルママチャリで気合と勢いで峠を走破したのは絶対私が初めてだと思いま すので、ここにアリバイとして記録を残しておきます。

小松市のレンタサイクルとかボロボロなママチャリでここまで来た猛者がいるならネットで報告よろ しく!
v(~o~)v








小松市レンタサイクルで、菩提峠の戸谷隧道を越える!!









左は林道赤倉線、右は県道43号線。

車が走れるのは左の林道。県道43号丸山加賀線は現在車両通行禁止です。






自転車は車両に該当しますので進入禁止!!!

法令によると、『車両進入禁止』は、自転車に乗ったままでは通行できません。
自転車を押しているときは、通行可能。


※地主や林業関係者のトラックは鎖を外して通行していますので、通行には注意してください。





県道として細々と道路の整備が行われていますが、車道として整備が完了するのには
100年ぐらいかかりそうな感じです。建設が不要不急の道路といったところです。
菩提峠直下にトンネルを掘って大杉町と結ぶ計画なのでしょうか?







菩提峠には二つの滝「大瀧」と「小瀧」があります。

ここは「那谷小瀧」です。

小松市那谷町 菩提峠










県道の舗装路は「小瀧」のところで終わり、砂利の林道になりました。
この先からずっと勾配のある砂利道です。

気をつけなければいけないのは、熊やイノシシが出没します。
チャリンコの鈴をチャリチャリ鳴らしながら歩きました。






この辺はバラスが撒かれて歩きやすいですが、この先は荒れていました。








古代から大正時代までは左手に流れている沢沿いを歩いて菩提峠を越えたようです。

現在の道は大正〜昭和時代に「戸谷隧道」を掘って開削されました。









馬の谷地蔵 

付近には「大滝」と呼ばれる滝があり、その音も聞こえます。
菩提峠一帯には、役行山を始め、1000年前には白山信仰の行者が修行のために歩いたり籠もった
巨大な岩屋などの痕跡が多数あります。

「那谷大瀧」を見渡せる所に安置してあるので、地元では滝に関係したお地蔵様ではないか?
と言われています。

那谷町、菩提町には1000年前の色々な伝承、伝説があります。

もともとは白山信仰の盛んな土地だったところに、浄土真宗が入り込んできて、白山信仰の痕跡を消した、
破却したという学者もいます。
那谷寺は白山信仰のお寺ですが、戦国時代は一向一揆の「那谷城」にされていました。






「那谷大瀧」

全体像は滝の下から見ることができますが、そこに行くには、沢沿いに歩いていく必要があります。

小松市那谷町 菩提峠










うっそうとした林道もやがて空が開けて明るくなってきました。

そろそろ「戸谷隧道」が見えてきます。

戸谷隧道に興味のある人なら、この空気が流れている空間にくると、胸の鼓動が高鳴るはずです。
ここで一句!
古道にて 鼓動高鳴る 戸谷かな
(~o~)



小松市が誇る、「戸谷隧道」
昭和初期の隧道遺構!!


幾度かの崩落による通行不能を経て、1983年ごろに石川県によってH鋼を使った
補強工事とコンクリート吹き付けによる強化が実施され、現在は崩落の危険はありませんが、
数百匹のコウモリの棲み家であり、鶏糞のような、ニワトリ小屋のような異臭が漂います。

ちなみに菩提峠の古道跡はトンネル右手の沢沿いを歩いていきます。
古道の痕跡はありませんが、山頂部付近と、大杉町側にはあります。


小松市那谷町 菩提峠の旧古道跡を探し歩 いてきました。藪漕ぎしながらの古道探し。







那谷町の古老たちに聞いた話では、このトンネルの崩落は何度かあったようです。

県道に昇格後、1983年ごろに写真のように鋼鉄で補強しました。
崩落の心配は無いということです。






フラッシュ撮影をしなかったら本当に真っ暗で何も見えません。
かすかに、出口の光が見えますが、中に獣が潜んでいたら恐怖ですので、ライトは必ず持って入るべし。
この日、ライトを持っていなかったのでスマートフォンの明かりでかろうじて歩けました。






トンネルの中間地点を過ぎると下り坂となります。
内部はコンクリート吹きつけで補強されています。










レンタルサイクルの灯かりでは何も見えず、スマートフォンの光でかろうじて通過できました。







出口が近くなるにつれて、無数のコウモリがバタバタと飛ぶ音がして、
数匹が私の顔面に突っ込んできました。
コウモリの恐怖も何度か味わうと慣れる人もいますが、
私は慣れることはないです。強烈な鶏糞のような臭いに吐き気がしました。








ここは2008年ごろまでは、ふつうに自動車が往来していましたが、当時は樹木が覆い茂り
暗くて寂しい空間でした。道路も荒れ放題でした。

現在は菩提峠の全域で、地盤の緩い部分はコンクリートで補強されて走りやすくなっています。
もちろん、現在は林業関係者の軽トラしか走れません。

興味本位で県外からこのトンネルを見に来た車が中に入って、
車が挟まって身動きが取れなくなったら大騒ぎの事故になるので、
道路の管理責任者である石川県によって通行止めになったようです。

中で故障、ガス欠などでストップしたら、ドアが開かない、車から降りられない、
携帯電話も使えない恐ろしいトンネルでした。

軽のワゴン車でも中間地点にある凸出っ張りで屋根が擦れますし、
そんな傷跡がトンネルの壁にあります。

〜関連リンク〜
 酷道マニアの聖地、県道43号(丸山加賀線)
酷道オタクやオフロードバイク、林道愛好家らの間で 絶大な人気と知名度を誇る小松市の隠れた“観光 名所”。 インターネットで検索すれば、たくさん出てき ます。
2006年に編集したものです。







無事、ママチャリで菩提峠を越えました。
\(^o^)/





「古城橋」

この付近は「古城」という地名であることから、橋にこの名前がついたようです。

菩提峠には南北朝時代からの城跡伝説がありますが、城址の意味の古城でなく、
修験行者がいた時代の伏拝場所を「古城」と言っていた名残としての地名らしい。







菩提峠越えのゴールです。











大杉町側の入り口



今までオフロードバイクや軽トラックで戸谷隧道を何度か通過しましたが、
敢えて、小松市のレンタルのママチャリで通過したという、バカらしさに達成感を覚えてしまいました。

(~o~)



雪に閉ざされた戸谷隧道を、かんじきを履いて見てきました。

小松市内のトンネルを片っ端から探して通ります。






〜提供〜
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